大西羊『作文集』

作文を書きます。小説も、書くかもしれません。

恐怖のソーセージ男

ウィスキー1:スプライト3

大学生とは金の無い生き物である。金の無い生き物は大学生ではないが、大学生とは金の無い生き物である。だから大学生は削らなくてはならない。なにを? 食費を、だ。かつおぶしではない。食費だ。えんぴつではない。食費をがりがりに削るのだ。

大学生は金の無い生き物である。だが、金を必要とする生き物である。勉強のためだ。もちろん、ここでの勉強とは「人生の勉強」というきわめて広義の意味である。

僕も御多分にもれず、金の無い生き物である。幸い、僕は小食なので助かっている。それにパスタばかり食べているので食費はずいぶん軽い。ぷろぱんがすくらいには軽い。

だけど、それでもやっぱり食費とは難儀なものだ。食べるものは必要だし、遊ぶ金は必要だし、デートのお金は絶対にいるし、夜中になると酒をのむ。大学生はそう造られている。

ところで、僕のおすすめはウィスキー1にスプライトを3で混ぜることです。冷えていればいるほど美味しいです。僕は基本的にロックかストレートで、甘い酒は飲まないんですが、これだけは特別です。なんだかりんごのチューペットみたいでいいんですよね。

 

恐怖のソーセージ男

僕のパスタと双璧を為す存在がある。それがソーセージだ。

ソーセージはよい。やすくて、うまくて、肉である。僕はびっくりする。

「こんなものがあってよいのか?」そう思う。だがそれは実在しているのだ。

ソーセージはよい。あまりおいしくないが、肉である。肉はおおむね正義だ。少なくとも大学生の恋愛よりはずぅっとまともだ。僕は大学に入ってから恋愛をしていないから、こんな出まかせを言うことができる。

だが、ずっとソーセージを食べていると恐怖に駆られる。そう。ソーセージ男の存在だ。

僕たちの体は食べたもの、飲んだもので構成されている。そのために、ソーセージばかり食べていたら恐怖のソーセージ男になってしまうのではないか。そう思うのだ。ちょっと怖い。僕の体が豚のぶよぶよとした塊と組み替えられていくことを想像する。けっこう怖い。

ただ、今日の僕は仕方なくソーセージを食べている。もうパスタを三食連続で食べているからだ。僕は基本的にパスタ・マンだ。パスタとコーヒーで身体が組成されている。

ソーセージを割りばしでつかむ。それはかりっかりに焼けている。とてもいい見た目だ。僕はとくに何もかけずそのままいただく。ぱちんと弾けて肉汁があふれる。あふれるというほどでもないけど、じわっとする。そして思う。やっぱりソーセージって美味しいよね、と。

そんな日常的晩御飯風景に、ジャミロクワイの「ヴァーチャル・インサニティ」がかかっていたら、なんだかおかしくて笑ってしまった。

ねえ、たまにはソーセージ食べませんか?

 

ヴァーチャル・インサニティ

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